一般に回遊魚というと、マグロやカツオなど遊泳力のある魚を想像します。回遊魚とは主に一定の時期などに移動を行う魚を言います。水族館の水槽で泳ぐ回遊魚は、まさに雄大で豪華で、普通の家庭の水槽では飼うことが不可能です。 しかし、小型のものですと、飼うことが可能となります。 通常は船から釣るのですが、大型が多いので、防波堤などで釣れる小型の魚を飼いましょう。ここでは、割と簡単に釣れ、実績のあるマアジの飼育について紹介します。
・水槽
泳ぎ回り、また大きくなるので、可能な限り大きな水槽を用意します。
最低でも90cmは必要となります。また、飛び出すこともありますので、水槽の蓋も必要です。
・釣る時期について
船では周年釣れますが、防波堤からの釣りでは夏から秋です。
・必要なもの
防波堤の場合、釣り道具や仕掛けを揃えます。釣竿、リール、仕掛け、魚を入れる容器と携帯用酸素ポンプです。容器は大きなクーラーボックスがあると良いです。なお、釣り道具に関しましては、釣りの本を参考にして下さい。
・運搬について
運搬には大きめのクーラーボックス、もしくはバケツが良いです。できるだけ大きなもので、入れる数も1つの容器に2匹までとします。マアジの大きさにもよりますが、大体15〜20リッターのバケツで1〜2匹です。運搬時は丁寧に扱い、持ち帰る前には必ず新しい海水と入れ換えます。他の魚が釣れて持ち帰る場合は、マアジとは別の容器に入れます。
・匹数について
群を作って回遊しますので何匹も釣れますが、水槽に入れる数は、余裕を持って少なめに入れます。
・餌について
水槽に入れてからの餌付けは、大体3日〜1週間です。餌は、釣り餌のアミを与えていました。底に落ちたものは拾って食べないので浮游性の餌を与えます。
慣れると水面に浮いている餌を食べるようになります。
・水温について
設定水温は20度〜23度であれば問題ありません。マアジは、季節毎に移動しますので、冬などの寒い時期では17度以上に保ちます。なお、真夏時の水温29度でも大丈夫でした。
・水質について
水質にはそれほどうるさくはありません。ろ過がしっかりされていれば問題ありません。
・混泳について
群を作って回遊するので、異種同種の混泳が可能です。ただし、追いかけられると驚いて跳ねたりガラス面に衝突したりしますので、混泳させる魚に注意が必要です。
・病気について
水の汚れなどが原因で、ホップアイになり目玉が脱落することがありました。
なお、飼育経験では白点病にはかかったことはありません。
・アジ類
アジにはいろいろな種類がいて、通常釣れるのはマアジです。
また、マアジには沖合いにいる黒アジと沿岸近くにいる黄アジがいます。
したがって、防波堤などで通常釣れるのは黄アジです。
その他に、マルアジ、ムロアジ、メアジ、シマアジなどがいます。
飼育方法はマアジと同じです。
・マサバ
マアジと同じ場所・仕掛けで釣れます。飼育には、やはり15cmぐらいの小型のものを生かして持って帰ります。水質には、マアジに比べ、あまり丈夫ではないようです。
水槽内では、活発に泳ぎ回ります。飼育方法は、マアジと同じでよろしいと思います。
・イワシ
防波堤からのサビキで釣れ、種類もマイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシなどが釣れます。イワシは、一般的に弱く、特にウルメイワシは、釣り上げて容器に入れると死んでしまって生かすことが困難です。これは、狭い容器の中に入れられるとストレスが溜るからです。飼育は広い水槽でないと容易ではないかも知れません。
・カマス
イワシと同様の場所で、15cmくらいの子供が防波堤からのサビキで釣れます。
歯を持っているのが特徴です。水質には割と敏感なようです。