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2020/5/26最終更新(更新履歴)
海釣りの対象魚として人気の高いシロギスは、水槽で飼うことができます。シロギスは、全国各地に分布し、生息地域は沿岸や内湾の砂地や砂泥底に小数の群をつくって住んでいます。体長は30cmに成りますが、普通は20cm前後です。(シロギスの写真)
・水槽
60cm以上のものを使います。できれば90cmであれば余裕です。うちでは現在、120cm×45cm×45cmを使っています。(水槽の写真)
・ろ過装置
できるだけろ過能力を大きくします。よくホームセンターなどでセットで市販されている上面ろ過フィルターだけでは不十分で、うちの場合、以前使っていた90cm用上面ろ過フィルターに底面ろ過を併用しています。
・エアレーションポンプ
酸素不足を補うために、エアポンプでエアレーションを行っています。
・ヒーター
寒い時期などで水温が15度以下に下がる場合には必要になります。しかし気温の変動による水温の不安定を考えると、常時入れていた方が望ましいです。水温設定値は20〜23度にします。
・底砂利
砂底にすんでいる関係上、砂を敷いた方が理想なのですが、底面ろ過では目詰まりをおこして使えないので、砂利にした方が良いでしょう。砂利は通常売っているものを使用しますが、海岸から採取してきた粒の大きめの海砂をふるいにかけて、残ったものを使用しています。敷く厚さは5cm〜10cmにします。
・海水
通常人工海水を使いますが、うちでは天然海水を汲んできて使っています。120cm水槽だと20リッターのポリタンクで8本分の量です。その場合、汲んできたものをそのまま直接に入れないで、ポリタンクに黒のゴミ袋をかぶせて遮光して長期間たったものを使用しています。遮光することによって微生物を死滅させると、透きとおった水になります。
・その他
他に準備をするものとして、水温計、比重計、水汲み出しホースなどです。
・釣る時期について
地域にもよりますが、春から初冬が釣り期です。釣り船では周年釣り期で初夏から夏が最盛期です。
・必要なもの
釣り船の場合、釣り道具や仕掛けは大抵船宿に揃っていますので、魚を入れる容器と携帯用酸素ポンプぐらいです。容器は大きなクーラーボックスがあると良いです。あとはそれなりの服装と長靴を着用します。
・取り扱いについて
釣れた時の取り扱いはできる限り丁寧に扱うようにします。当たりがあって針掛かりしてたらリールをゆっくり巻き、針を外す時はていねいに、無理に外さないこと。針を呑み込んでしまった場合は生かすことが困難ですので食用にします。針を外したら静かに容器の中へ入れます。容器の水は携帯用酸素ポンプでエアレーションします。
・運搬について
運搬には大きめのクーラーボックスもしくはバケツが良いです。入れる魚のサイズや数量にもよりますが、できるだけ大きなものが望ましいです。シロギスの大きさにもよりますが、大体15リッターのバケツで2〜4匹、20リッターで3〜6匹ぐらいが目安です。運搬時は丁寧に扱い、持ち帰る前には必ず新しい海水と入れ換えます。他の魚が釣れて持ち帰る場合はシロギスとは別の容器に入れます。
・匹数について
良く釣れる時は何十匹も釣れます。しかし水槽には限られた数しか入れることができませんので必要な数だけ生かして持ち帰ります。水槽の立ち上げ時は少なめに入れることが大切です。残った魚や大きなシロギスはおいしく食べて上げましょう。小さいものは空揚げやてんぷらに、大きいものは塩焼や刺身にしましょう。
・水温について
シロギスの適温は18〜24度です。うちの水槽では真夏の水温が30度くらいになりますが大丈夫です。真冬は水温が下がって15度くらいになります。
・水質について
ろ過がしっかりされていれば特に問題ありません。餌の与え過ぎに注意していれば半年ぐらい換水しなくても大丈夫ですが、魚の量が多い場合は水換えの頻度も多くします。
・ゴミについて
底砂を敷くと砂の中にゴミが溜り易くなります。水換え時にゴミを吸い出すようにします。なおその際にろ過バクテリアもいっしょに吸い出さないように気を配ります。
・苔について
飼ってしばらくすると水槽のガラス面に苔が付着するようになります。苔はなるべく取らないようにしたいですが、ガラスの前面に付着すると見えにくくなるので、小型巻き貝などを入れて苔を取ってもらうようにしています。
・混泳について
シロギスは縄張りを持たなく穏やかな性質なため、異種同種間での争いはありません。他の魚との混泳は可能です。
・病気について
以前に飼っていた時に、苔が生えまくっていて貝を導入して苔を除去させたことがありました。その時に苔が奇麗になり、しばらくして1週間ぐらいに次々と死んでしまったことがありました。原因はよくわかりません。なお白点病にはかかったことはありません。
・メゴチ
シロギスを狙っているとよく釣れてきます。グロテスクな体系をして触るとヌルヌルしていますが、動作など面白いです。砂利にもぐることもしばしばあります。穏やかな性質ですのでシロギスとの混泳が可能です。
・トラギス
良く釣れてくるのがクラカケトラギスという種類です。巣穴を作って縄張りを持ち、近づく魚を追い払いますのでシロギスとの混泳は避けた方が良いでしょう。
・ハゼ
色々な種類がありシロギスに交じって釣れるのは、マハゼ、サビハゼなどです。ハゼは案外と弱いので、他の魚との混泳をさけます。シロギスとの混泳もやめた方が良いと思います。寿命はわりあいに短いです。
・カレイ
種類も色々ですが、釣れるのはマコガレイやイシガレイです。飼ったことはありませんが、小型のものは水槽で飼育可能です。底に張りついていることが多いのであまり目立たないですが、大型のものはやはりシロギスとの混泳を避けた方が良いでしょう。
・ヒイラギ
初夏に投げ釣り等で良く釣れてきます。丈夫な魚でスターターフィッシュの役になります。穏和ですのでシロギスとの混泳は可能です。またこまめに餌をあさりますので、餌の食べ残しの掃除役にもなります。
・カワハギ
フグの仲間で、縄張り意識が強く他の魚を追い払います。シロギスとの混泳はさけ、単独飼育が望ましいです。
・マダイ
小型のものは水槽で飼うことができます。気はわりあい強い方ですので、シロギスより大きいものはシロギスとの混泳を避けた方が良いでしょう。
・フグ
色々な種類がありますが、良く釣れるのはクサフグやショウサイフグです。飼ったことはありませんが、するどい歯を持っていますので、他の魚をかじったりしないためにも単独飼育にした方が良いでしょう。
・アイナメ
飼ったことはありませんが、縄張りを持ちますので単独飼育にした方が良いでしょう。