シロギス釣りの研究

1999/11/11最終更新

シロギスを釣るには、まずシロギスについて知る必要があります。 まず、観察をして習性をみてみましょう。

遊泳範囲
シロギスの行動範囲は、底から30cmまでの間をヨブに沿って小数の群で泳いでいるといわれています。水槽観察では、ほとんど底スレスレを泳いでいるかジッとしていることが多いです。これはおそらく警戒しているためでしょう。しかし障害物等に隠れることはあまりせず、むしろ砂利の中に潜ることを得意とします。慣れてくると、底から離れて活発に動き回ります。特に腹を空かしている時は餌をねだって活発で、時には水面まで上がることもあります。

時間帯
シロギスは晴れた穏やかな日が良く釣れます。シロギスは昼行性で明るいうちによく釣れます。夜間は大型が単発的に釣れます。水槽での昼間の行動は活発で、夜になると、ほとんど底でジッとして動きません。明かりをつけると泳ぎ出したりします。夜は活性が低くなります。

水温
シロギスの適温は大体18〜24度です。良く釣れる時期は、水温が上がる初夏から下がる晩秋です。なお、夏場の30度近い高水温でも食欲は旺盛ですので夏バテせずに釣れます。冬場は、水温が15度以下になると活性が低くなるようです。

天候・海況
天候は穏やかで、底も荒れていない状態が良く釣れます。濁りがある場合は釣れないことが多いです。濁りに関しては、水槽観察では確認できません。底が荒れている場合は、釣れないことが多く、スレでかかってくることもあります。水槽観察によると、これは不規則に動く餌をとらえられないためで、小回りがききません。しかし一定の方向に動く餌には、スッ飛んでとらえることができます。したがって、荒れていて餌が踊る状態では、餌を食べることができないということが確認できます。


釣りに使う餌は、アオイソメやジャリメなどのイソメ類を使うのが普通です。自然では、ヨコエビ・ゴカイ・エビ・カニの甲殻類などを食べているということです。 うちの飼育では、初めからアミエビを与えています。餌の食べ方は、小さいものはそのまま飲み込み、長めのものは端から吸い込むように食べます。イソメ類は与えたことがないですが、おそらく同じく端から吸い込んで食べると思います。しかし大きいものやあまり多く吸い込み過ぎると吐き出してしまいます。釣っていて仕掛けを上げると餌が、ボロボロになっていることがよくあります。これはおそらく吸い込んで吐き出したものと考えられます。餌は細めのものを短めに切って、一飲みにできるくらいにして針に付けることが大切です。

仕掛け
通常に使う仕掛けは、投げ釣りや船釣りにおいて、吹き流し式の底に這わせたものを使います。これは砂底にいる餌を食する関係です。針は飲み込みやすく吐き出しにくい流線形の針を使います。また時期によっては岸近くの防波堤や急深海岸での浮き釣りも可能です。

これまでの釣り方の考察
シロギスは、砂浜海岸や防波堤からの投げ釣りの他に船からの沖釣りで釣ります。ただし投げ釣りの場合は岸辺に近づく水温が上がる時期に限られます。 海況は、穏やかで潮も澄んだ状態がベストです。濁りがあるとあまり釣れません。それは餌が探せないからという意見もあります。底荒れの状態の場合ですと潮が動くため餌が踊ってしまって追えないため、なかなかなか釣れないことがわかります。この場合は、吹き流し式でなくハリスを短くした胴付仕掛けが有効かも知れません。 餌は、目の前にあるものよりも少し離れている餌に飛びつくことが多いので、案外目の前にある餌は見にくいのかも知れません。餌は止めているよりもサビいた方が目に止まります。 物音には、敏感で水面を跳ねる音にも反応します。波の音に対してはどうなのでしょうか? 餌は機会があったらいろいろ試したいと思いますが、アミエビやオキアミも良い餌になります。底から離れている餌にも飛びつきますので、サビキ仕掛けを底に這わせた釣り方も有効だと思います。

あとがき
狭い水槽の中での観察において、本来の自然の姿を見ることが困難です。飼育していてだんだんと水槽の環境や餌に慣れてきて、初めの頃より本来の姿を示さなくなってきました。そのためこれ以上の観察では望めないため、これにて釣りの研究の観察を打ち切ることに致します。


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